タグ別アーカイブ: 曲目

変奏曲との出会い

アラフォー・オケでコンマスします。いちろーたです。

今回の演奏会「Variations」と銘打ってます。誰も聞いちゃいないかもしれませんが、僕は変奏曲って好きなんです。

「変奏曲すげー!」って思ったのは、大学生の頃にナマで聞いた『ロココの主題による変奏曲』でした。で、それを自分たちでもやったんですね。大切な思い出の曲です。
もうひとつ変奏を好きになったキッカケをあげるなら、これまた大学時代の話なんですが、ベートーヴェンのシンフォニーなんですね。『エロイカ』と『第九』
長い、そして、くどい……なんてすばらしいんでしょう。

……長くてなにが悪い!

短いのがいいなら、最初と最後の和音だけ鳴らせばいいじゃないですか!!!

ベートーヴェンがライブ演奏で延々と変奏曲をひいてくれてたらどんなに幸せだろうなと思います。毎日ベートーヴェンばっかり聞いてましたよ。高校生の頃。
クライバーの速い速い『運命』が《テープが伸びてしまって》普通の速さになるくらいに……ウォークマンで毎日聞いて通学してましたよ。ええ。

ヤングな皆さまのために解説しておくと……カセットテープというものがありまして、ラジオを録音するとかいろんなふうにお気に入りの音楽を録音して聴けるものがあったんですよ。で、テープなので繰り返し聞いているうちに伸びてきちゃうんですね、物理的に引き伸ばされちゃう。レコードの回転数を落として再生するのと同じようなことにっちゃうんです
(しまった年がバレる!テープもレコードも、いまの若い子たちには通じない話かもしれないなぁ……)

話がすっかり脱線しました。

変奏曲を2曲取り上げる演奏会は、僕にとってははじめてのことです。
ひとつは、ベートーヴェンに感化されちゃったブラームスが書いた「ハイ・バリ」こと『ハイドンの主題による変奏曲』 もうひとつが、僕にとって因縁深いエルガーの書いた《名前だけはよく知っている》『エニグマ(日本語では「謎」というらしい)変奏曲』を取り上げることになったわけです……。
どちらも、20代の僕にとって苦いどころか、痛い思い出の曲です。
その話は、なにかの時にでも……。

バイオリン・パートはメンバー募集中です。ご応募お待ちしています!

いちろーた(アラフォー・コンマス)

変えていく面白さ

自称27歳・リアルはアラフォーのこーのさんからバトンタッチされました、
ウンチク語りには定評のある(笑)広報スタッフのさこです。

まあでもね、含蓄ある話とか振られてもね、
ほら、最初っからカタいハナシは疲れるだけだと思うのでw
どうして交響曲とかじゃないのー?みたいな話をまずは軽く。

今回の2曲、「変奏曲」が並びました。
最初はね、交響曲とかももちろん上がりました。選曲に。
でも、なんとなくプログラムとして組んでみるとちょっと座らない。
かといって、大曲の組曲系は本当に大きくて、
アラフォーになっていろいろ思い通りに書けるようになった作曲者が
嬉しくなってヒャッハー☆と全力を入れるので
クセとか作曲者の思い入れとかが強すぎて、これもちょっと座らない。
(まあロミジュリみたいに年齢的にどうよというのももちろんありw)
のぶさんのお誕生日なんだから、あまりにネクラなプログラムも避けたいし、
(ほら、トシがトシだから、こじれるとどろどろぐっちゃんになっちゃうわけでw)
特殊な楽器が増えちゃうと奏者も限定されちゃうし、とウラもちょびっと含み。

変奏曲ってそれでいくと、結構お買い得商品なのですよ。
一番最初にメインテーマがやってきて、
それを元にして作曲家が手を変え品を変え料理していく。
メインテーマに共感できなくても、手を変えた先とか、ふと見せるウラとか
どこかにちょっと引っかかることができる…それだけの素材が用意されてるのです。

自分もね、学生時代にはそこまでは思ってなかったのですが、
この年になるとまあそれなりにウラもオモテもタテマエもホンネも見るわけで
だからこそ「変わるものがある」ことも「変わらないでいたい」こともわかる。
作曲家だって同じで、
だから若い頃の変奏曲みたいにテクニックだけ見せるところから
もう少し別の側面に光を当てたいとか、一方向に縛られない魅せ方ができるからこそ
それを演奏する側も汲み取って、また自分の多方面をそこにぶつけられる。
ーーそんな面白さがあるんじゃないかな、と思うのです。

自分は年を取ることに抵抗はなかったのですが、
正直、アラフォーって姿が見えなかったのです。ここ何年も。
でも、今回のみなさまに引っ張ってもらって、ちょっとアラフォーって面白いかも、
変化することって楽しいかも、と思えるようになりました(大まじめに)。
なので、それを曲や演奏を言葉にするという形で
みなさまに少しでもお伝えできればなあ、と思っています。

アラフォーオケ、楽しいですよ(スタッフのオレも!)。

今回演奏する2曲について少し

弱ったな。

前ポストで代表にずいぶん持ち上げられてしまった指揮者、こーのさんです。

では、今回選んだ2曲(ハイドンバリエーション/エニグマバリエーション)について、ちょっと語ります。裏話ですけど。

もちろん独断で選んだわけではなくて、
・キーワード「アラフォー」をどこまで活かせるか
・アラフォー演奏者が立ち並ぶ、その異様な舞台風景に見合う曲は何か
を真剣に考えて運営メンバーで議論しましたよ。

例えば
不惑→ニールセン#4「不滅」+ホルスト「惑星」だ!
とか。(今、思い出してもひどい。。)

”作曲者も演奏者も全部アラフォー”というコンセプトに思い当たったら、
今度は著名作曲家の40歳前後の作品のピックアップが始まり、
挙げてみたら流石、脂の乗ったものすごい曲ばかり。
(一例)
Rシュトラウス ばらの騎士
プロコフィエフ ロミオとジュリエット
コープランド 交響曲3番
マーラー 交響曲4番
シューマン 交響曲3、4番
、、、( ゚д゚)
その割に、序曲になりそうな短い曲が少ない。というか、ほとんど無い。
プログラム作るの苦労しました。

出来ればね、私自身は粒オケのときは「(良い意味で)エロい」と言われていたので、バリバリに官能的な、フェロモン多めの曲が良いんじゃないかな、と思ってたんです。
いざ決めてみて、アレ?これはなんというか、、、知性ある部分も出さないといけないな、さてさて、、ということでスコアとにらめっこする日々を送っています。

曲の中身についてアレやコレやは、もっと含蓄ある話をしてくれるスタッフに任せるとしましょう。

変奏曲ーー
”変わっていくもの/変わらないもの”を色々と考えさせられる2つの曲。
いい大人が本気で、大人気なく取り組むステージ。
今から興奮しちゃいますねぇ。